Kid Stardust on Tani-9

Homeless isn’t Hopeless ヨーロッパの街角で私と出会った人達の記録(前編)

イギリスのロンドンを目指した旅行は、たまたまオランダ経由便だったので、アムステルダムで降りて電車(ユーロスター)でロンドンを目指すことにした。ホテルも滞在日数も決めない気ままな旅行だ。結果的にルートはアムステルダム→ブリュッセル→パリ→ロンドン。4つの首都を抜けるヨーロッパの旅では、多くの人と出会ったけど、特にホームレスと呼ばれる人の多さが印象に残った。いくつかの出会いを記録しておこう。

アムステルダムの路上強盗

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深夜のアムステルダムは一国の首都にしては人通りが少ない。初めて訪れた国で、深夜の難波や渋谷をうろつく感覚で歩いて自分が不用意だったんだろう。深夜の2時ぐらいにこうやって写真を撮影していると「HEY!」と遠くから声をかけられた。

黒人の3人組でこちらに向かって歩いてくる。なんなだろうか?と思いながら待っていると、私の目の間で「Give me money!」と言った。最初から態度が高圧的で、金をくれと言っている。金を出せといった口調で、こちらがごまかそうとしても、怖い目をしながら「Give me money」の一点張りだった。

この時にはじめて「ああ、これはちょっとヤバイんじゃないか…」とおもった。

OKと言って、とりあえず持っていたカメラをカバンに仕舞いこんで、チャックを閉じる。少し距離を取った瞬間にホテルに向かって走った。彼らは追いかけては来なかったが、何かを大声で叫んでいた。追いかけて来ないのと距離をとったのを確認して、腹が立ってきたのでこちらも罵声の1つでも、とおもったけど、追いかけられたら悲惨なことになるので、そのままホテルを目指して走った。

生活苦を語るアムステルダムの黒人

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ホテルの中は禁煙なので、玄関にある灰皿の横でタバコを吸っていた。ホテルの目の前とはいえ、さっきの出来事があったのですごく警戒していた。ホテルの前を歩いていた黒人さんが私に話しかけてきた。

「英語は話しますか?」
「少しなら…」

そこから彼は自分の身の上を話し始めた。家がなくなってしまい、仕事もままならない。どこまでが本当かは知らないけど悲惨な身の上を話した後で、お金を恵んではくれないかと言った。

「タバコを吸いに外に出てきただけなのでお金は持ってない…」

私が警戒しながらそう答えると、彼はあっさりと引き下がって「OK」と言って歩きはじめた。それが少し意外で「もう終わりなの?」とおもった。もう少し押されればポケットの小銭をあげたのに。彼の押しの弱さに拍子抜けしたぐらいだった。

「WAIT!」と言って私が呼び止めて、ポケットにあった小銭をすべてあげた。彼はTHANK YOUと言って立ち去っていった。なんて答えていいのかわからなかったので、頷いていた。

ブリュッセルの街角のバイオリニスト

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夜の9時ぐらいにブリュッセルの街を歩いていると、路上でパフォーマンスをするバイオリニストに出会った。日本でも路上のミュージシャンがギターを弾いているけど、ブリュッセルではバイオリンを弾いている人がいる。

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ヨーロッパの建築物に囲まれた街並みと、そこに流れるバイオリンの音が噛み合っていて、一人で旅行に来ている自分を不思議とノスタルジックな気分にさせてくれる。あらためて、日本から遠く離れた場所にいるのだと実感した。

演奏している彼に5ユーロのお札と、カメラを持ち上げて「写真とってもいい?」と質問すると、演奏したまま笑って頷いてくれた。私にはバイオリンのうまさが判断できないんだけど、とても素敵な音色だった。

ドンキホーテの広場に座る親子

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ブリュッセルの駅の方角を目指しながら歩いていると大きな広場に出た。ドンキホーテとサンチョ・パンサの銅像がある広場で、きっと名前が付いているはずだ。

階段に座るイスラム系のいかにもホームレスといった風貌の親子を見た。ホームレスには驚かないのだけど、小さな女の子の親子連れを見たのは少なからず衝撃だった。子どもは4歳、5歳。

目の前の缶に小銭を入れて、日本で買った手鏡を子どもにあげた。確か関空の土産物屋で買った安物だったけど、日本風の刺繍が入っていて、旅先で機会があればお礼にでも誰かに渡すつもりだった。

あの子もいつか化粧をしたりするようになるのだろうか。いろんなことを思ってしまって複雑な気分だった。誰が悪いわけでもないんだろうと思う。

続く

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